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久留米商工会議所 会頭 本村康人様

久留米商工会議所 会頭 本村康人様
久留米商工会議所 会頭 本村康人様

ふるさと久留米を愛するトップの対談

2016年10月、久留米商工会議所会頭の本村康人様へ当社代表取締役副社長・吉弘京子が「福岡県久留米市の地方創生に向けた取り組み」をテーマにお話を伺いました。トップ対談第4弾として、そのときの詳しい内容をお届けします。(2016年11月掲載)

「くるめつつじ会」での出会いと久留米つばき

吉弘

本村会頭と初めてお会いしたのは2014年の「くるめつつじ会」でしたね。私は久留米で生まれ育ち、久留米信愛女学院を卒業し、東京で会社を設立しました。東京へ出た後は、久留米のために何かできないかと常に考えておりましたので、初対面にも関わらず久留米への想いを勢いよくお話ししてしまいました。

本村


つつじ会で吉弘さんにお会いした時、非常に積極的な方だなと思いました。何のお仕事をされている方かと周りの方に尋ねると、情報産業界では有名な方ですよ、と教えてくれました。そんなことが最初の出会いでしたね。

吉弘さんが久留米のことを愛していらっしゃることは、付き合いの中でひしひしと感じ、感動した次第です。また、久留米市にある神社、水天宮を活性化する活動などを通して交流が深まりましたね。

吉弘

そうですね。久留米にある水天宮は、全国の水天宮の総本山ですものね。それにしても、久留米には色々と素晴らしいものがありますね。お酒や久留米ラーメンといった特産品が有名ですね。

本村

ブリヂストンやムーンスター、アサヒコーポレーションといったゴム産業の企業もあります。そして、久留米つばきも世界的に有名です。代表的な品種「正義(まさよし)」は、1830年にシーボルト博士がヨーロッパに持ち帰り世界に広まったと言われています。このつばきの苗木を2016年3月に安倍総理大臣へ贈呈し、非常に喜ばれました。

吉弘

とてもきれいなつばきですよね。久留米のつばきは世界中の人を魅了していますね。

USEの地方創生に向けた取り組み

本村

久留米市は、地方創生の一環として、2016年4月に中心市街地に文化交流施設「久留米シティプラザ」を開館しました。文化施設としての機能や医療や企業の発展・交流を促進するためのコンベンション施設としての機能、そして、中心市街地活性化の役割を担う中核的施設としての機能を併せ持った施設として「憩いと賑わいが調和する『文化』『活力』創造空間」という基本理念のもと、作られました。先日(2016年10月4日)は、久留米シティプラザでウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の公演が行われ、非常に称賛されました。

吉弘

中心市街地に商業施設でなくコミュニケーションの場として文化施設を作る、という発想がすばらしいですね。当社も久留米シティプラザでセミナーを開催させていただいておりますし、一緒に盛り上げていきたいと思っています。例えば、子ども達がITのお勉強をできる場を提供するとか。色々なアイディアを考えております。

吉弘

当社は、2015年11月、久留米市に「USE・salesforce開発センター」を開設させていただきました。これまでは、役員一同によるお正月の水天宮参拝や西日本最大と言われる筑後川花火大会への特別協賛、また地元企業や学校法人へのsalesforceの導入、久留米工業大学への特別講義やワークショップの実施など活動を行ってきました。今後は、開発センターを拠点として更に久留米のために活動していきたい、地方創生の取り組みを一層進めていきたいという気持ちがあります。

本村

地方創生が叫ばれている今日、USEさんが国が進める本社機能移転計画の福岡県第一号となりました。事業所も商工会議所内に開設していただき、私も自分のことのように嬉しく思っています。

久留米は幸運ですよ。吉弘さんの出身地が久留米であるから、ここに事業所を作ってもらえました。故郷に錦を飾りましたね。久留米としても、USEさんが一緒に盛り上げていただけるのは、まさに鬼に金棒です。

吉弘

私自身を振り返ると、高校を卒業した後東京へ出て勉強し、一度久留米に戻っています。しかし、20歳の時に「もう一度久留米に戻ってくるときは、一旗も二旗も揚げてから。中途半端では帰れない」という思いで再び東京へ出ました。そして専門学校へ行き、卒業と同時に会社を作り、何とかやってきました。技術力が無い時には「礼儀作法で日本一」を目指し、バブルが崩壊した時には採用活動に注力しました。

NTTが民営化された時は、何としても業者登録をと奮闘しました。マンモスNTTにとって当社は小粒に過ぎず、業者登録を申請するための要件すら満たしていませんでした。でも、どうしても諦められず「一寸の虫にも五分の魂というものがあります。まず一度、USEを使ってください!」と、購買部長に直談判したんですよ。そうしたら意気込みを買われ、登録を認められ事業が拡大していきました。

本村

吉弘さんは立志伝中の人ですね

吉弘

ありがとうございます。

若者たちの添え木となる

本村

吉弘さんには、久留米のモチベーションを持った若者にアドバイスをしていただき、育ててほしいと期待しています。吉弘さんの経験や知識は財産ですから。

吉弘

久留米では、新しい技術や新しいビジネスを伝えていきたいと思っています。久留米の企業さんも更にITを武器にしていただいて、世界に羽ばたいてほしいですね。私もそのお手伝いができたら光栄です。

本村

若い人たちには「教科書に書いてないことはいっぱいあるぞ」ということをまず教えてあげなければいけません。吉弘さんには経験に裏打ちされた説得力があります。考えや想いが一貫しているところは、吉弘さんの魅力の一つですね。

吉弘

ありがとうございます。当社の若い社員や久留米商工会議所の若い経営者の方々と交流する中で、色々と伝えていきたいです。

本村会頭は、若者たちの支えになってあげている印象があります。

本村

才能がある人でも、若者には必ず添え木が必要です。私が添え木になってあげないといけないと思っています。そして、欠点をダメだと言うのでなく、長所を見つけ伸ばしてあげることが大事です。「あいつよりもお前が良いぞ」という感じで、パーソナリティ(人格)を伸ばしてあげたいですね。自分の息子だと思って。

吉弘

すばらしいですね。そのような見解で包まれる方は、なかなかいらっしゃいません。私も若いころは諸先輩方から支えられ、力を貸していただきました。たくさんの方々のおかげでここまでこれたと思っています。

人生観と座右の銘

吉弘

当社の創立10周年記念式典の時に、お客様のシステム部長様からのあいさつの中で「最初はお嬢さんのおままごとと思っていましたが、一生懸命頑張っている姿を見て、力を貸そうという気持ちになりました。吉弘さんは先祖の徳をお持ちだから、私も協力しないといけない」とお話がありました。私は「自分が頑張ってきたのになぜ?」とビックリしました。しかし、その時からたくさんの皆さま方に支えられていると感じるようになりました。ですので、座右の銘は「自力・他力・神力」です。自分が一生懸命努力する「自力」、周りの方が協力して下さる「他力」、そして大きな力「神力」。この3つが揃って、生かされていると思っております。

本村会頭の座右の銘を教えていただけますか?

本村

「不撓不屈の精神」です。

「人なおもって往生を遂ぐ、いわんや悪人をや」という親鸞聖人の言葉があります。この世の中、人間が作ったルールの中で動いています。自分が窮地に立たされた時も、しょせん人間が作っていることではないですか。どんなことでもどうにでもなるということを意識し、生きていればそれでいいと思っています。

吉弘

その通りだと思います。勉強になります。

本村

そして、弱い人を強い人が守り、強い人は弱い人から色々教えてもらうんですよ。やっぱり相手を思いはばかることが大事な気がします。

吉弘

私たちもその気持ちを持って、久留米とともに成長していければと思っています。ご期待に添えるよう努めてまいりますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。本日は本当にありがとうございました。

プロフィール

久留米商工会議所
会頭
本村 康人(もとむら やすと)
久留米商工会議所
会頭
本村 康人(もとむら やすと)

福岡県久留米市櫛原町出身。
1969年、慶応義塾大学法学部後、日本航空株式会社へ入社。
1973年、酒類卸業の本村商店に入社。1978年4月に取締役、1982年2月に常務、1993年4月から社長に就任。
久留米商工会議所では、1987年6月から1991年10月まで議員を務め、1997年10月監事、1999年6月常議員、2001年11月副会頭、2007年10月から会頭を務める。
2011年秋、黄綬褒章受章。酒類業界への多年に亘る貢献と、久留米商工会議所会頭などの社会貢献を顕彰して送られた。

株式会社ユー・エス・イー
代表取締役会長 吉弘 京子(よしひろ きょうこ)
株式会社ユー・エス・イー
代表取締役会長 吉弘 京子(よしひろ きょうこ)

福岡県久留米市出身。
1970年 学生時代の仲間3名と株式会社ユー・エス・イーを創業。同年、システム研究所を東京に開設
1985年 日本電信電話公社(現NTT)の民営化と共に、業者登録認定を受ける
1995年 NTTデータから「協力企業大賞」を受賞
1997年 一般社団法人日本自動認識システム協会主催「システムインテグレーション優秀賞」受賞
1998年 通産省(現経済産業省) SI企業認定を受ける。
2000年 ピープルソフト(現オラクル)を活用し、ERPで人事制度改革はソフト業界初の試みを行う
2000年 Salesforce.com Inc社を訪問し、翌年にSalesforceを社内導入
2002年 セールスフォース社とパートナー契約を締結。日本国内で多くの顧客にサービスを展開
2005年 ピープルソフト伝道師の「最優秀賞(Excellent Evangelist)」の評価を受ける
     “ピープルソフトのクィーン”の愛称で親しまれている
2005年 NTTデータから「協力企業大賞」を受賞
2018年 株式会社ユー・エス・イー 代表取締役会長(現職)
2019年 久留米商工会議所議員、ソフトウェア事業協同組合副理事長、ASPIC執行役員
     およびグループ会社2社、IT系ベンチャー企業への投資・支援を行う。

※役職や所属は取材当時のものになります